いかにもブルゴーニュワインは美味しいです。とはいえフランス人でも三度の食事ごとに呑んではいません。かつて、フランスが酔っ払い天国だった頃は、身上をつぶすほどの飲んだくれが沢山いたにちがいないですが、ポルトガルに世界一の座を譲った今日、特に親の醜態を見飽きてる若者は、毎日は飲まず時々高級ワインを飲む、と傾向が変わってきています。高級とはいえコルトンシャルルマーニュだのサッシャーニュだの、ニュイサンジョルジュだのと、グランクリュばかり飲んでるわけでもありません。そういった超高級は、まさにとっておきのワインで、お祝いにふさわしい、色と、香りとコクの豪華さをもっています。ここでのお奨めは、あまり知られていない、ごく平凡な、だが長く呑み続けるには、飽きがこず、毎日の食卓にもってこいの、知る人ぞ知るブルゴーニュワインです。
グランクリュに名を連ねる極上ワインは、一口飲んだだけで、虜になりそうなくらい誘惑を秘めています。そもそもブルゴーニュワインが世界的に有名になったのは、ルイ14世の医師ファゴンが王に勧めたからとも、マコンのブドウ園主ブロッスがヴェルサイユのミサに参列した折、肥大漢ゆえ国王の目にとまり、マコンワインを献上したところ、王がひどく気に入り、以来宮廷で用いられるようになったとも、文豪のアレクサンドル・デユマと、かのナポレオンが愛好したのがブルゴーニュだったから、とかいろいろ説がありますが、最近はカリフォルニアやニュージーランド産に押されて、老舗の王様の地位を保つのが楽ではなくなったようです。
毎日、肉を食べてる西洋人にはワインは欠かせないだろうけど、われわれ菜食人種には、こんなコクのある酒を毎日飲み続けるなんてできやしないはずです。もっと味が爽やかで、テーブルワインに近いものの方が長く呑み続けるのに向いています。同じ白でも、有名なシャブリより、似たような味と香りでもっとさっぱりしたサンセールの方が魚にも合うし値段も手頃です。とりわけサンセールの丘の麓の村シュヴィニョル産の淡白な山羊のチズをつまみにサンセールの白を傾けるなら他に何もいらない、完璧な相性です。そこで、白ならサンセール、赤はクラーンジュ・ラ・ヴィヌーズを食卓用にお奨めしたいのです。
サンファルジョーからサンセールまで約50km、向いにプイイシュルロワールもあります。ブルゴーニュ側のクラーンジュ・ラ・ヴィヌーズへは約40km。ヨンヌ川を渡った対岸の丘はイランシーで、ここのワインがまた、透明なルビー色がきれいな上、とてつもなくフルーテイ。女性に受けること間違いなしのワインです。
では、ここで赤ワインを使ったレシピをひとつ
ブルゴーニュ地方の家庭料理の代表ブッフ・ブルギニョンのレシピです。
使うワインによってすごく味が違ってきます。以前は、ロワールのブルグイユ Bourgeuil を使っていました。ここへ引っ越してから、ブルゴーニュワインのピノ・ノワールPinot Noirで煮てみたら、すごく上品な味にできました。ブルグイユはボルドーと同じ木から作るので、タンニンが強く、どろっとした渋みとあったか味があります。牛肉に濃い味が浸み込んでそれがうまい。でもやっぱりブルギニョンですからね。ピノ・ノワールで炊いた牛肉は、酸味と甘みがさらっと軽くすこぶる上品に仕上がります。
レシピ ブッフ・ブルギニョン
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玉ねぎをぶつ切りにする。肉と玉ねぎの割合が味の決めて。玉ねぎの量いかんで甘すぎたりスープ過剰になったりする。およそ、肉500gに対し中くらいの玉ねぎなら3つ、大きめなら2つが適量。玉ねぎが味を出すので、肉につぎ重要な材料です。
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肉を大きめに、赤ん坊のこぶしぐらいの大きさに切る。食べやすさを考えすぎ、あまり小さく切るとシチューになってしまう。
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ラルドン(ベーコンに似た豚のあばら肉の塩漬け)を賽の目に切ったもの100g。にんにく少々。
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厚手の鍋(圧力鍋が一番)に植物油を暖め、にんにくと肉を入れ、まんべんなく炒める。塩コショウは少なめにおさえる。ラルドンで塩味がつくから辛すぎないよう注意。
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玉ねぎを入れ、肉の表面に色がつくまで、全体をかきまぜながら火を通す。
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ラルドンを加え、全体に火が通ったら、小麦粉を大匙2杯ほどふりかけ、全体にまぶすようかきまぜる。
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ワインを材料がひたひたに漬るくらいまで注ぐ。
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ブーケ・ガルニ(タイムと月桂樹の葉)を入れ、圧力鍋の蓋をしっかり閉じ、バルブがゆっくりと回転し蒸気が出だしてから30分間煮込む。
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肉が煮えている間に、マッシュルーム300gをスライス(縦に半割りし半月状にスライス)したのをフライパンで炒める。色が濃くなり、身が締まって、フライパンに煮汁が染み出でたら、OK。
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肉を30分煮たら、いったん火からおろし、蒸気を抜いてから、蓋を開けて、マッシュル-ムを入れかき混ぜた後、もう一度、とろ火で、30分ほど煮込む。
じゃがいものゆでたのと、クレッソンを添えて温かいうちに食卓へ供します。
もちろん、ワインはブルゴーニュの赤。
料理に使うワインは、Bourgogne passetout Grandか Pinot Noir で十分。飲むには、Nuit St George か Cote de Beauneがあれば上々。
以上が、わが家のレシピです。弊ゲスト・ハウスは夫婦ふたりきりでお客様のおもてなしをさせて頂いており、キャパシテイーに限りがありますので、B&Bを原則としております。ただし、やむをえない事情とか是非にとお望みのお客様には、家庭料理として上のレシピで作ったブッフ・ブルギニョンをワインと共に供し、おもてなしをさせて頂いております。(お1人につき30€)
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